2013年10月19日土曜日

マレイ=ペライア アフタートークの内容について

2013年10月19日 土曜日
彩の国さいたま芸術劇場 音楽ホール (埼玉県与野市)

同日に行われたリサイタル(別稿参照)の後で開催された、アフタートークでマレイ=ペライアが話した内容について記述する。

なお、英語で書かれてある箇所を除き日本語での通訳の内容をまとめたものであり、通訳の正確性及び、私の聴きとり・解釈の正確性、この二重の意味で内容の正確性は保証しない。

リサイタル後に帰った観客はごく少なく、ほぼ全員がそのまま残ってアフタートークに臨んだ形となる。

以下、マレイ=ペライアが話した内容

リサイタルのプログラムについては、ベートーフェンの「熱情」を中心に据えた。その「熱情」を軸に、対照的になるようにプログラムを構成した。悲劇的な「熱情」に対してバッハのフランス組曲を置くように。

ベートーヴェンはシェイクスピアからの影響を受けている。「熱情」については、ハムレットからの影響を受けているのではないか。第一楽章は亡霊を描写的に、第二楽章は祈り、第三楽章は復讐という形で。

ホロヴィッツと一緒に勉強した。

ヴィルトゥオーソを超えるためには、まずヴィルトゥオーソにならなければならない。

過去のヴィルトゥオーソ(ケンプ・ルービンシュタイン・ホロヴィッツ)は、曲の内面・感情に対する深く追求していた。

バッハは、故障により演奏不可能となった時によく聴いていた。癒し・感動がもたらされた。バッハのコラールは、全ての音楽に対しての原点である。

レコーディングについて。後期ベートーフェンについては、op.110とop.109はよく演奏している(から対象となるだろうと暗示?)。op.111はちょっと難しい(から対象にはならないと暗示?)。

ピアノの音については、音色はあまり考えていない。大切な事は、耳から聴こえてくる音が納得できるものであるか否か。個性的な音、本当に自分がどんな音を求めているかを追求している。

音楽に対する愛(love)が大切である。その為には音楽を聴く事(listening)が重要だ。音の要素や意味合いを考えていく事が大切である。