今日は、国立劇場にて歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」の第一部を観劇しました。国立劇場開場50周年記念事業の目玉として、三部に分けて「仮名手本忠臣蔵」を上演する企画の、第一弾となります。10月公演では四段目まで、大雑把に言えば、塩冶判官が切腹するまでの場面となります。
あぜくら会に入会し、頑張ってチケ取りしましたため、とちり中央席確保しての観劇となりました!
開演10分前に、エヘン口上人形が出てきて、配役を述べて行きますが、これは聞いておいた方がいいでしょう。この口上自体がと言うよりは、後になって「エヘン」がキーワードになるからです。
私にとって印象に残った箇所は、まずは二段目の「桃井館力弥使者の場」で、小浪と力弥とのウブっぷりが素晴らしい。小浪役の中村米吉は本当に可愛いい娘に化けていて、実は男であることを知らなければ惚れてしまいそうです!
三段目の「門前の場」は諧謔の場面で笑える箇所です。加古川本蔵を謀殺するべく練習する場面で、「エヘンと言ったら、何もかも打ち捨てバッサリ」の場面では、大受けしてしまいました♪詳細は、本番を観ましょうね♪♪
四段目で塩冶判官切腹後の焼香の場面では、香りが客席まで漂って来ます。四段目の空気感は、月並みな言い方だけど、やはり緊迫するものです。私にとって涙腺が決壊しそうになった場面は、切腹の場面ではなく、最後に家来たちが去り、大星由良之助が一人になった場面でありました。誰もいなくなって、冷静さを保っていた感情をはじめて露わにする由良之助の姿に、心を動かされずにはいられません。
今回の国立劇場のプロダクションでは、カットされる事が多い場面も上演されているとのこと、これ故に、この「仮名手本忠臣蔵」の構成の巧みさを思い知らされます。シリアスな場面だけでなく、小浪と力弥との初々しい恋の場面や、「エヘンと言ったら、何もかも打ち捨てバッサリ」の場面と言ったような諧謔を挿入して、観客を惹きつけています。国立劇場開場50周年記念に相応しい、名作の真価を味わいました。
2016年10月22日土曜日
2014年12月21日日曜日
国立劇場 通し狂言「伊賀越道中双六」 評
今日は国立劇場で25年ぶりに歌舞伎を見る。国立劇場も25年ぶり、高等学校時代に何かの校外学習っぽいもので行って以来だ。高等学校時代に何を観たのかはさっぱり思い出せない。楽しめたのかつまらなかったのかさえ、良く分からない状態だ。
文楽は「仮名手本忠臣蔵」「菅原伝授手習鑑」を見てきたが、歌舞伎については何も見ていなかった。新国立劇場「シンデレラ」公演は寺田亜沙子さん主演の日であったが、なぜかチケットを確保しておらず、あわてて確保しようとしたら、私にとっての理想的な席が埋まってしまったのだ。
そうこうしているうちに、NBSと紛らわしい独立行政法人日本芸術文化振興会から、誘惑メールが来た。「伊賀越道中双六」を通しでやる。44年ぶりに三州岡崎をやる。東京駅100周年記念Suicaには関心がなかったものの、限定物に弱いあきらにゃん、舞台がこなれ千秋楽が近づく21日に行くことを決め、チケット取得を決意、見事に、わずかに前方・ど真ん中の最高の席を入手した!
通しとは言え休憩を除けば、総上演時間は三時間程なので、気軽に見ることができる。
冒頭では、やはり私は文楽向きではないかとも懸念したが、股五郎役中村錦之助の見事な悪役により目が覚める。和田行家暗殺大成功♪この時の私、顔を見られていたらニタニタ、気味の悪い笑みを浮かべていたに相違ない。
第三幕「藤川新関」の場面は、お袖(中村米吉)が本当に艶やかで目を奪われる。本当に女性よりも女性らしく、歌舞伎の女形とはこういうことかと認識させられる。美女だし所作が本当に女性そのものだ。
助平役の中村又五郎も、その間抜けな役柄を見事に演じる。
この第三幕、和田志津馬(尾上菊之助)が旅券(通行手形)は奪取するわ、他人名義の旅券での国境(関所)を通過するわ、密出境したらブービートラップが鳴って国境警察官が到着するわ、国境警察官を気絶させて強行突破大成功するわ、という内容の、とんでもない犯罪アクションである。一方、間抜けな助平は旅券を奪われ、密出境に失敗して、国境警察官に逮捕される♪歌舞伎、面白過ぎです♪♪法務省入国管理局から抗議が来てもおかしくない内容でありますね(むふふ)♪♪
第四幕の「岡崎」の場面は、派手さはなく難しい場面ではあるが、まあまあの内容か。
大詰の仇討ちの場面は圧巻、最後のとどめを刺す場面では涙腺がちょっと潤む(←ここで潤むのかよ!)
主役の中村吉右衛門はもちろん、中村歌六、中村又五郎、尾上菊之助、中村米吉、悪役の中村錦之助が素晴らしく、私の四半世紀ぶりの歌舞伎公演は成功裏に終わったのでありました。。
(国立劇場での鑑賞事情について↓)
国立文楽劇場は舞台上方に字幕が出ますが、国立劇場にはそのような設備はありません。しかし、高等学校時代に古典が全くダメダメ状態であった私でも大丈夫でしたので、誰でも楽しめると思います。
あらすじは、チラシの裏レベルで大丈夫です。セリフも、私でさえ七割は内容が分かりましたから、筋を追うに当たっては支障ありません。
間違ってもイヤホンガイドなんて使わないでくださいね。単なる鑑賞の邪魔だから。イヤホンガイドやるくらいだったら、字幕を付けるべきだと思うけど、どうしてしないのだろう。
バルセロナにあるリセウ大劇場にあるような、座席背面の字幕で英語を表示させる必要もあるように思います。歌舞伎座や明治座とは違い、ちゃんとした通しをやるのですから、日本語が分からない外国人も含めて誰もが楽しめる環境になるといいのかなと、思っています。
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