2014年12月21日日曜日

国立劇場 通し狂言「伊賀越道中双六」 評


今日は国立劇場で25年ぶりに歌舞伎を見る。国立劇場も25年ぶり、高等学校時代に何かの校外学習っぽいもので行って以来だ。高等学校時代に何を観たのかはさっぱり思い出せない。楽しめたのかつまらなかったのかさえ、良く分からない状態だ。

文楽は「仮名手本忠臣蔵」「菅原伝授手習鑑」を見てきたが、歌舞伎については何も見ていなかった。新国立劇場「シンデレラ」公演は寺田亜沙子さん主演の日であったが、なぜかチケットを確保しておらず、あわてて確保しようとしたら、私にとっての理想的な席が埋まってしまったのだ。

そうこうしているうちに、NBSと紛らわしい独立行政法人日本芸術文化振興会から、誘惑メールが来た。「伊賀越道中双六」を通しでやる。44年ぶりに三州岡崎をやる。東京駅100周年記念Suicaには関心がなかったものの、限定物に弱いあきらにゃん、舞台がこなれ千秋楽が近づく21日に行くことを決め、チケット取得を決意、見事に、わずかに前方・ど真ん中の最高の席を入手した!

通しとは言え休憩を除けば、総上演時間は三時間程なので、気軽に見ることができる。

冒頭では、やはり私は文楽向きではないかとも懸念したが、股五郎役中村錦之助の見事な悪役により目が覚める。和田行家暗殺大成功♪この時の私、顔を見られていたらニタニタ、気味の悪い笑みを浮かべていたに相違ない。

第三幕「藤川新関」の場面は、お袖(中村米吉)が本当に艶やかで目を奪われる。本当に女性よりも女性らしく、歌舞伎の女形とはこういうことかと認識させられる。美女だし所作が本当に女性そのものだ。

助平役の中村又五郎も、その間抜けな役柄を見事に演じる。

この第三幕、和田志津馬(尾上菊之助)が旅券(通行手形)は奪取するわ、他人名義の旅券での国境(関所)を通過するわ、密出境したらブービートラップが鳴って国境警察官が到着するわ、国境警察官を気絶させて強行突破大成功するわ、という内容の、とんでもない犯罪アクションである。一方、間抜けな助平は旅券を奪われ、密出境に失敗して、国境警察官に逮捕される♪歌舞伎、面白過ぎです♪♪法務省入国管理局から抗議が来てもおかしくない内容でありますね(むふふ)♪♪

第四幕の「岡崎」の場面は、派手さはなく難しい場面ではあるが、まあまあの内容か。

大詰の仇討ちの場面は圧巻、最後のとどめを刺す場面では涙腺がちょっと潤む(←ここで潤むのかよ!)

主役の中村吉右衛門はもちろん、中村歌六、中村又五郎、尾上菊之助、中村米吉、悪役の中村錦之助が素晴らしく、私の四半世紀ぶりの歌舞伎公演は成功裏に終わったのでありました。。


(国立劇場での鑑賞事情について↓)

国立文楽劇場は舞台上方に字幕が出ますが、国立劇場にはそのような設備はありません。しかし、高等学校時代に古典が全くダメダメ状態であった私でも大丈夫でしたので、誰でも楽しめると思います。

あらすじは、チラシの裏レベルで大丈夫です。セリフも、私でさえ七割は内容が分かりましたから、筋を追うに当たっては支障ありません。

間違ってもイヤホンガイドなんて使わないでくださいね。単なる鑑賞の邪魔だから。イヤホンガイドやるくらいだったら、字幕を付けるべきだと思うけど、どうしてしないのだろう。

バルセロナにあるリセウ大劇場にあるような、座席背面の字幕で英語を表示させる必要もあるように思います。歌舞伎座や明治座とは違い、ちゃんとした通しをやるのですから、日本語が分からない外国人も含めて誰もが楽しめる環境になるといいのかなと、思っています。