2016年4月10日日曜日

Wihan Quartet, Nagoya perfomance, (10th April 2016), review ウィハン弦楽四重奏団 名古屋公演 評

2016年4月10日 日曜日
Sunday 10th April 2016
宗次ホール (愛知府名古屋市)
Munetsugu Hall (Kyoto, Japan)

曲目:
Franz Joseph Haydn: Quartetto n.67 op.64-5 Hob.III-63
Leoš Janáček: Quartetto n.1
(休憩)
Ludwig van Beethoven: Quartetto n.15 op.132

Quartetto d'archi: Wihan Quartet
violino 1: Leoš Čepický
violino 2: Jan Schulmeister
viola: Jakub Čepický
violoncello: Aleš Kaspřík

チェコ人により構成されるウィハン-クァルテットは、2016年3月から4月に掛けて日本ツアーを実施し、福岡・横浜・東京(3会場で計3公演)・大阪・広島・武豊(愛知県)・名古屋にて演奏会を開催した。この評は、最終公演である名古屋公演に対するものである。

着席位置は秘密。およそ7割程の入りか?観客の鑑賞態度は、概ね極めて良好であった。

一曲目のハイドンから深い音色で聴かせてくれるが、面白いのは二曲目のヤナーチェクである。どのように弾いてそのような音を出しているのか不明だが、特殊な音色が出て来たり、現代音楽チックな部分もあったりする。

最後のBeethovenは、第三楽章・第五楽章が特に素晴らしい。第三楽章は繊細であり、第五楽章は心臓の鼓動が高鳴る演奏だ。それにしても、全曲に渡り正統派の解釈であり、誰が何をするか、よく考えられた演奏である。深い音色が宗次ホールと実によくマッチしている。

アンコールは二曲あり、いずれもドヴォルジャークである。一曲目は弦楽四重奏曲第12番第四楽章であるが、終盤の二人のヴァイオリンが微妙にテンポを速めながらきっちりユニゾンを決めた響きは実に素晴らしい。二曲目は、弦楽四重奏のための「糸杉」から「自然はまどろみの夢の中に」で心を落ち着かせるものである。

弦楽四重奏の表現力を改めて思い知る。100以上の奏者を集めてデカくやる意味って、どこにあるのでしょうね。