2013年12月1日日曜日

大崎結真 ピアノ-リサイタル 評

2013年12月1日 日曜日
彩の国さいたま芸術劇場 音楽ホール (埼玉県与野市)

曲目:
クロード=ドビュッシー:版画
モーリス=ラヴェル:水の戯れ
モーリス=ラヴェル:夜のガスパール
(休憩)
オリヴィエ=メシアン:「幼子イエスに注ぐ20のまなざし」より
 第11曲「聖母の最初の聖体拝領」
 第13曲「ノエル」(イエズス=キリストの生誕)
アンリ=デュティユー:ピアノ-ソナタ

ピアノ:大崎結真

着席場所は、ど真ん中より僅かに上手側である。客の入りは6割程であろうか、中央後方の席でさえも空席の穴が目立つ。観客の鑑賞態度は概ね良好であったが、ビニールをがさがさする音が目立つ箇所があり、また補聴器のハウリングと思われる音が小音量ながらも継続してなっていた。

大崎結真は楽譜通りに作曲家の意図を再現するべく演奏する方向性で、かつ丁寧に弾いている。特に後半の演奏は優れている。しかしながらフランスものは難しい。曲想上、どうしても眠くなる方向性に向かってしまう。かと言って、プログラムに安易に「ラ-ヴァルス」を加えるのも、プログラム全体の一貫性がなくなってしまうところである。

また、曲を終え拍手を受ける時の表情も無く、彼女なりに納得できる演奏が出来たのか否かが分からず、その点でも観客のテンションが上がりにくいところがある。せっかく良い演奏をしても、観客に伝わらない形である。

アンコールは、ドビュッシーの「前奏曲集第2巻」より「オンディーヌ」、「前奏曲集第1巻」より「亜麻色の髪の乙女」であった。