大阪市立大学の学長選挙を廃止しようとする橋下徹大阪市長に対し、その暴挙を糾弾するとともに、大阪市長職からの辞職を要求する。
大阪市立大学の前身である大阪商科大学を創設した、当時の大阪市長關一は、初代学長にリベラル派の河田嗣郎を据えた。滝川事件で京都大学教授を免官された末川博を迎え入れるなど、自主独立を伴う大学運営を戦時下でも行ってきた。
大阪市立大学の学長選挙を廃止しようとする橋下徹大阪市長の行為は、このような大学設立の経緯・歴史から体現される建学の精神に対する侮辱である。關一により築き上げられ、代々引き継がれてきた大阪市の知的インフラストラクチャーを破壊する行為であり、全大阪市民に対する敵対行為である。
また、日本国憲法第23条により保障されている「学問の自由」、及びこれに派生する「大学の自治」に対する重大な挑戦でもある。日本国憲法第99条に規定されている、憲法尊重義務に反した挑戦的行為であり、公職としての適格性を著しく欠いている。
よって私は、橋下徹大阪市長に対し、大阪府立大学との統合問題を含む、大阪市立大学に対する一切の介入を直ちに中止し、その齎した混乱に対し適切な謝罪を行うとともに、大阪市長職を辞職するよう、強く要求する。