2015年10月4日日曜日

Batsheva Dance Company, להקת מחול בת-שבע, Yokohama perfomance, review バットシェバ舞踊団 横浜公演 評

2015年10月4日 日曜日
Sunday 4th October 2015
神奈川県民ホール (神奈川県横浜市)
Kanagawa Kenmin Hall (Yokohama, Japan)

演目:
「Decadance - デカダンス- דקהדאנס 」

なお日本公演に於ける「デカダンス」は、下記の演目から抜粋・構成された作品である。
Z/na (1995), Anaphase (1993), Mabul (1992), Naharin's Virus (2001), Zachacha (1998), Sadeh21 (2011), Telophaza (2006), Three (2005), MAX (2007)

ダンスカンパニー:להקת מחול בת-שבע / Batsheva Dance Company / バットシェバ舞踊団

芸術監督:Ohad Naharin (オハッド=ハナリン)

バットシェバ舞踊団は、2015年10月4日から11日まで日本ツアーを実施し、上記演目を、神奈川県民ホール・愛知県芸術劇場・北九州芸術劇場でそれぞれ1公演、計3公演上演する。

この評は、2015年10月4日、神奈川県民ホールに於ける公演に対するものである。

着席位置は一階ず前方中央。観客の入りは一・二階席はほぼ埋まっていたが、三階席は閉鎖していた模様だ。観客の鑑賞態度は概ね良好であった。

名古屋・北九州公演に臨む観客方へ。開場したら、出来るだけ早く自席に着席することをお勧めする。女性は、オシャレして行くと、何かいい事あるかもしれない♪赤い服を着る必要は無いけどね。残念ながら、男性の観客にはいい事は起こらないと思われる♪

(以下、ネタバレ注意。名古屋・北九州公演をご覧になる方は、ご注意願いたい)

昨年11・12月の、CNDスペイン国立ダンスカンパニー「マイナス16」を見た方には、その続編のように思うかもしれない。

コンテンポラリー-ダンスではあるが、純舞踊的路線だけで攻めるだけでなく、物語性を濃厚に感じられる箇所もあり、承前起後の処理も巧みなので、楽しく観る事が出来る。

私の踊り手の好みは、11人が舞台最前列に出て来る演目のセンターを踊った、青緑色?エメラルドグリーン?の衣装の女性である。その演目で、そのダンサーに目を奪われたため、以降よく注目してみた。終盤間近の演目でも、そのダンサーが不規則な動きを始めて、導入部から展開部に移行する画期となる箇所があった。

男性については、後半部の二人の絡み合いが良かった。

多人数で群舞になる際に、微妙に個性の差異が出て来る所が面白い。一方で、千手観音のシーン等、きっちりユニゾンで決めるべき箇所は、ビシッと決めてくる点が印象的だ。

後半の「1,2,3,4,5,6,7,8,9,10」の演目は、「デカダンス」のデカ(=10)と掛けているのだろうか?10の演目からの抜き出し(実際は9の演目数であるが・・・)と言う意味と、事前情報では聞いていたが・・・?

最後の演目「Welcome」にて、開演時刻前のパフォーマンスが回帰し、終了するのは巧みである。オハッド=ナハリンは、開演時刻前にパフォーマンスを実施するのが好きなのか?それにしても、そのパフォーマンスが回帰する構成になっていたとは!

単に純舞踊的路線で攻めるだけでなく、物語性を持つコンテンポラリー-ダンスは少ないと思われるが、バットシェバ舞踊団のダンサーは全員で見事に物語演じた。最後の「Welcome」は、まさしくそんなバットシェバ舞踊団にふさわしい終わり方であった。