2016年7月9日土曜日

Михаи́л Васи́льевич Плетнёв / Mikhail Pletnev, recital, (9th July 2016), review ミハイル=プレトニョフ 豊田公演 評

2016年7月9日 土曜日
Saturday 9th July 2016
豊田市コンサートホール (愛知県豊田市)
Toyota City Concert Hall (Toyota, Aich, Japan)

曲目:
Johann Sebastian Bach (arr. Liszt Ferenc): Preludio e fuga BWV543/S.462-1
Edvard Hagerup Grieg: Sonata per pianoforte op.7
Edvard Hagerup Grieg: Ballade i form av variasjoner over en norsk folketone op.24 (ノルウェー民謡による変奏曲形式のバラード)
(休憩)
Wolfgang Amadeus Mozart: Sonata per pianoforte n.9 K.311
Wolfgang Amadeus Mozart: Sonata per pianoforte n.14 K.457
Wolfgang Amadeus Mozart: Sonata per pianoforte n.15(18) K.533/494

pianoforte: Михаи́л Васи́льевич Плетнёв / Mikhail Pletnev

ロシア連邦のピアニスト、ミハイル=プレトニョフは、2016年7月1日から9日に掛けて日本ツアーを実施し、リサイタルを、東京オペラシティコンサートホール「タケミツメモリアル」(東京)(2公演)、兵庫県立芸術文化センター(兵庫県西宮市)、青山音楽記念館(京都市)、東京文化会館(東京)、豊田市コンサートホール(愛知県豊田市)にて、計6公演開催する。プログラムは全て同一である。理想的な音響となる中小規模ホールでの公演は、青山音楽記念館と豊田市コンサートホールの二か所だけである。

この評は、日本ツアー千秋楽である7月9日豊田市コンサートホールでの公演に対する評である。

着席位置は正面やや前方上手側、観客の入りは7割弱か。観客の鑑賞態度は、概ね良好だったが、肝腎な箇所でノイズが入る場面もあった。

プレトニョフのピアノは、構成がよく考えられており、正統派の路線で攻めている。ピアノは SHIGERU KAWAI を用いている。強奏部がストレートに響くと言うよりは、独特な透明感で来るような印象を持つ。大規模ホール独特では向かないかもしれない。

グリークにしてもモーツァルトにしても、プレトニョフによる深い分析を経て決定された響きで、観客に示されるように思える。モーツァルトには「軽やかさ」の要素は希薄で、その分、プレトニョフの神経を通わせた要素が入り込んでいたのかと。

わずかにグリークの方が、プレトニョフとの相性は良かったか。

アンコールは、リストの「愛の夢」と「小人の踊り」であった。