2016年2月20/21日と、神奈川芸術劇場(KAAT)にて、Noism 「カルメン」を観劇しました。
Noism は新潟市の劇場施設 りゅーとぴあ の座付き舞踊演劇カンパニーです。
Noism の演目は、一度だけでは分からない事も、二度観ると見えてくるものがあります。二回行って良かったと思います。
あの有名なビゼーによるオペラのカルメンの音楽を用いてはおりますが、ストーリーは大幅に変えております。そもそもオペラ前の原作にはなかったミカエラが、このNoism版では極めて重要な位置を占めています。ここまでミカエラの心情を表現したのは、物語の強い核になり素晴らしいものがあります。
また、歌舞伎・文楽の手法をかなり取り入れているように思えます。
第一幕で、門外の警備の情景と、門内のタバコ工場の場面の転換は、複数(5つ?)繋げたパーテーションをダンサーの手で一気に回して行いますが、やっている事は歌舞伎に於ける回り舞台そのものです。
また、第二幕でのガルシア登場の場は、学者役が大夫になって、パントマイムをしているダンサーの台詞を言います。ダンサーを人形に置き換えれば、やっている事はまさしく文楽です。そもそも舞台を張り出して、学者の部屋のようにしている時点で、文楽の出語り床そのものです。
その他舞台装置に関して言えば、パーテーションの使い方が実に絶妙でした。
このカルメンには亡霊たちが登場しますが、東海道四谷怪談的でもあり、オペラ「ドン-ジョバンニ」の騎士長が迫る場面のように思いました。
もちろん、Noismの皆さん、みんな踊れるし演じられるしで、舞踊と言うよりは演劇を楽しめた感じです♪