2015年1月24日 土曜日
国立劇場おきなわ (沖縄県浦添市)
【第一部】
琉球舞踊
「松竹梅鶴亀」:名嘉正光・新屋敷孝子・赤嶺光子・ 金城由美子・藤戸絹代
「獅子舞」:諸喜田千華・知念みさ子・上間悦子・宮平友子
「取納奉行」:喜納かおり
「鳩間節」:宮城茂雄
「打組むんじゅる」:奥原めぐみ・喜屋武まゆみ
「金細工」:金城保子・松田恵・中村知子
【第二部】
組踊「辺戸の大主」(へどのうぬふし)
辺戸の大主:真境名正憲
辺戸の大主の妻:高江洲清勝
辺戸の比屋:嘉手苅林一
辺戸の子:親泊久玄
孫(娘):名嘉正光・伊野波盛人・佐辺良和・岸本隼人・大浜暢明・田口博章・仲村圭央・佐喜眞一輝
孫(若衆):呉屋智・金城真次
孫(二才):宇座仁一・川満香多
構成振付・立方指導:宮城能鳳
舞踊指導補佐:新垣悟
地謡
歌・三線/上間宏敏・上地正隆・上原陸三
箏/安慶名久美子
笛/我那覇常允
胡弓/川平賀道
太鼓/神山常夫
地謡指導:西江喜春
初めて琉球舞踊を見るべく、那覇まで飛んで、那覇市を僅かに外れた北隣の浦添市にある、国立劇場おきなわに行きます。
着席位置は、一階中央前方、前から三番目の席でほぼ真ん中の特等席と言って良い理想的な位置です。中央部は舞台から客席側に張り出しています。その張り出した場所でも演舞を行うので、張り出し舞台の左右は避けるべきでしょう。
観客の鑑賞態度は、まあ私語が多いです。沖縄ですから♪ヤマトの音楽会の感覚で行ったら、ウソ!と言いたくなるレベルです。
拍手は独特のマナーがあり、踊りが終わって舞台下手側に向かっている最中に行います。その段階では、時謡(管弦楽+歌い手)は続いておりますが、まあ、そういう慣習なので。「郷に入ったら郷に従え」なので、ヤマトの私があれこれ言うべきものではありません。
第一部では、琉球舞踊を六つ程演舞します。女性が中心です。舞台上手側に時謡が付き、踊り手は原則踊りに専念しますが、「打組むんじゅる」ではほんの少し歌を歌います。時謡の歌い手は男声のみですので、女声を入れたい場合は、踊り手が歌うしかありません。「取納奉行」をソロで踊った喜納かおりさんは、娘役に相応しくカワイイです♪
休憩後が、いよいよ組踊「辺戸の大主」です。冒頭、若々しいけど芸術監督があらすじを説明してくれます。
時謡は舞台奥の背景半透明スクリーンの後方につきます。踊り手は女性役を含めて、全て男性になります。歌舞伎と一緒です。
もともと民俗芸能として「長者の大主」という演目があったそうで、これを組踊化したものとのこと、辺戸の大主が120歳になったので、子供の辺戸の比屋(90歳)と辺戸の子(70歳)が相談して、子や孫達を集め、踊ってお祝いをするというものです。とてもあり得ない年齢設定ですが、子孫繁栄といった当時の琉球社会の理想像を示したものだそうです(公演前に講演会を実施していて、そこで説明されていました)。
ストーリーはそれだけで、踊りの前に踊り手を指名して踊ってあげなさいと比屋が言ったり、お祝いの盃を交わしたりした後、踊るだけです♪
ひ孫たちが分担して様々な踊りを披露し、ひ孫たちが全員で踊り、最後に大主・比屋・子も加わり、舞台から退場して演技を終えます。
なんじゃそれって感じのストーリーなので、かなり舞踊の要素に寄った総合芸術です。
様式に従って如何に繊細に踊るか、小道具を的確に用いるかが問われる舞踊と思いました。手先の表現や、扇を一気に広げる音をビシッと決めるような所が、見どころ・聴きどころでしょうか。
琉球舞踊は、バレエ・ダンスとの親和性も大きいです。リフトや32回転フェッテといったような技巧はありませんが、物事の本質にそう大きな違いはないでしょう。
沖縄は遠いですし、なかなか行ける所ではありませんが、観光で沖縄に行く機会があれば、琉球舞踊の鑑賞を是非お勧めしたいです。