2016年9月11日日曜日

国立劇場小劇場、文楽「一谷嫰軍記」・「寿式三番叟」感想

今日(2016年9月11日)は国立劇場小劇場にて、文楽「一谷嫰軍記」の通しと、国立劇場50周年を祝う「寿式三番叟」を、11時00分から20時17分まで九時間を超える長丁場で味わい尽くしました。

「一谷嫰軍記」一段目を観た感想は、一言で言うと、女の人は強い。悪い男どもを、チャンバラで、あるいは弓矢で、見事に成敗していきます!

「一谷嫰軍記」を通しで観劇する意味は、二段目「須磨浦の段」を観れたところにあると思います。三段目の「熊谷桜・熊谷陣屋」は、リアルに起こった「須磨浦の段」の回想であるし、「須磨浦の段」が無ければ活きません。やはり、通しで上演し、通しで観劇するのが基本だと思います。演者・観客とも本当に大変だけど。「須磨浦の段」は、それこそ単独で見取りで成立すると思いました。遠近法を用いた表現方法も見られましたし。演劇として面白いですし、涙腺もウルウルしますし。

一方で、二段目と三段目の間に上演された「寿式三番叟」は、前半下手側に待機していた二体の人形が、後半凄いダンスを繰り広げます。踊り疲れ怠ける演出が入るほどの速いテンポと激しさ!これを人形でやるのが凄い。人形遣いの方、本当に凄い!人形が扇を反転させまくりながらの舞踊は、舞踊公演をご覧になっている方も、鮮やかな印象を与えるものです。単なる祝祭演目ではない、人形劇の一面をみせつけるものでした。

9時間を超過する長い演目ゆえ、チケットの区分けは、一段目・二段目と、「寿式三番叟」・三段目と別れておりましたが、後半の「寿式三番叟」・三段目はチケット完売し、満員御礼の札が出ておりました♪