2016年1月30日 土曜日
Saturday 30th January 2016
石川県立音楽堂 (石川県金沢市)
Ishikawa Ongakudo (Ishikawa Prefectural Concert Hall) (Kanazawa, Japan)
曲目:
Benjamin Britten: Simple Symphony op.4
Frédéric Chopin: Variations on "La ci darem la mano" op.2
(休憩)
Frédéric Chopin: Concert Londo "Krakowiak" op.14
Felix Mendelssohn Bartholdy: Sinfonia n.5 op.107
pianoforte: Alexander Krichel
orchestra: Orchestra Ensemble Kanazawa (OEK)(オーケストラ-アンサンブル-金沢)
direttore: Matthias Bamert
オーケストラ-アンサンブル-金沢は、ピアノにアレクサンダー=クリッヒェル、指揮にマティアス=バーメルトを迎えて、2016年1月30日に石川県立音楽堂で、第372回定期演奏会を開催した。
管弦楽配置は、舞台下手側から、第一ヴァイオリン→ヴィオラ→ヴァイオリン-チェロ→第二ヴァイオリンの左右対抗配置で、コントラバスはチェロの上手方につく。木管パートは後方中央、ホルンは後方下手側、他の金管は後方上手、ティンパニは最後方中央の位置につく。
着席位置は一階正面中央わずかに上手側、客の入りは八割程であろうか、チケット完売には至らなかった。
演奏について述べる。
一曲目のシンプル-シンフォニーは、第三楽章・第四楽章が素晴らしい。第二楽章のピッチカートは、中規模ホールだとよく響いて素晴らしい演奏になったろう。
ショパンの、事実上の一楽章形式のピアノ協奏曲が二曲披露される。
ピアノのアレクサンダー=クリッヒェルはハンブルク生まれ。強い音も軽やかさを失わない響きで魅了される。 管弦楽のサポートは絶妙に考えられ、ピアノが休んで管弦楽が強く出るべき箇所の鋭さも見事で、構築力のある組み立てである。
ショパンがモーツァルトの影響を受けた事を伺わせるピアノの軽やかな響きは、これら事実上のピアノ協奏曲には必須な要素だが、これをどんな強い音でも失わせないアレクサンダー=クリッヒェルは素晴らしい!アンコールはクリッヒェル自身の作による「ララバイ」であったが、弱音が綺麗であった。
後半は、メンデルスゾーンの交響曲第5番である。冒頭の金管の鮮やかな響きと(終始金管の調子は良かったように思える)弦楽の弱いけど細さを感じさせない響きとの対比から惹き寄せられる。全般的に奇を衒わない正統派の演奏であるが、もう少し派手にやったら名演の域に達したかもしれない。アンコールはモーツァルトの「カッサシオン」KV65 からアンダンテであった。 #oekjp