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2014年11月2日日曜日

新ダヴィッド同盟 演奏会 評 New "Davidsbundler" Concert review

2014年11月2日 日曜日/ Sunday 2nd November 2014
水戸芸術館 (茨城県水戸市)(Mito, Japan)

曲目:
フランツ=シューベルト:ピアノ三重奏曲第1番 D898
コダーイ=ゾルターン:ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲 op.7
(休憩)
ヨハネス=ブラームス:ピアノ五重奏曲 op.34

弦楽四重奏:新ダヴィッド同盟 (New "Davidsbundler" )
第一ヴァイオリン:庄司紗矢香(Shoji Sayaka)
第二ヴァイオリン:佐藤俊介(Sato Shunsuke)
ヴィオラ:磯村和英(Isomura Kazuhide)
ピアノ:小菅優 (Kosuge Yu)
ゲスト奏者(guest):
ヴァイオリン-チェロ:クライヴ=グリーンスミス(Clive Greensmith)

新ダヴィッド同盟は、10月31日・11月2日に別のプログラムを一公演ずつ、計2公演、水戸芸術館にて演奏会を開催する。チェロの石坂団十郎は今回は出演せず、代わりにクライヴ=グリーンスミスが担当する。コダーイのヴァイオリンは、佐藤俊介の演奏となる。

着席位置は正面最前方上手側で生々しい響きとなる。観客の入りはほぼ満席で、補助席使用となった。チケットが完売となったか否かは不明である。

第一曲目のシューベルト、ピアノ三重奏曲からテンションが掛かった全開の演奏だ。庄司紗矢香が時々楽しそうな表情も見せている。

二曲目のコダーイは、金曜日の同じ演目だ。金曜日と同様に素晴らしく、間違った拍手なしで無事終わる♪

今日の公演全般的に、如何にグリーンスミスのチェロがどれだけ盛り立てたかが良く分かる。単なる下支えだけでない厚みのある響きで、チェロが先頭に立つ場面ではニュアンス豊かに奏でる。当然の事ながらグリーンスミスだけでなく、庄司紗矢香を筆頭とする全ての奏者が素晴らしく演奏していることはいうまでもない。

三曲目のブラームスのピアノ五重奏曲が、パッションを強調した白熱した演奏のように感じられたのは、金曜日の後方の席から最前方の席に移動を強いられたからかもしれない。鋭い響きで先鋭的に攻める演奏で私の好みである(優しい演奏が好みの人たちには厳しいだろう)。

最前方上手側の席で、どうしても響きが溶け合わないのは残念であるが、庄司紗矢香たんの表情を観察するのは実に楽しい。三曲目では、かわいい系の顔立ちの紗矢香たんが凛々しい表情で時々椅子から腰を離して演奏していて、顔立ちとのギャップに惹きつけられてしまう♪♪

アンコールは金曜日の演奏と同じく、ドヴォルジャークのピアノ五重奏曲より第三楽章であった。

2014年10月31日金曜日

新ダヴィッド同盟 演奏会 評 New "Davidsbundler" Concert review

2014年10月31日 金曜日/ Friday 31st October 2014
水戸芸術館 (茨城県水戸市)(Mito, Japan)

曲目:
ヴォルフガング=アマデウス=モーツァルト:ピアノ四重奏曲第1番 K.478
コダーイ=ゾルターン:ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲 op.7
(休憩)
セザール=フランク:ピアノ五重奏曲

弦楽四重奏:新ダヴィッド同盟 (New "Davidsbundler" )
第一ヴァイオリン:庄司紗矢香(Shoji Sayaka)
第二ヴァイオリン:佐藤俊介(Sato Shunsuke)
ヴィオラ:磯村和英(Isomura Kazuhide)
ピアノ:小菅優 (Kosuge Yu)
ゲスト奏者(guest):
ヴァイオリン-チェロ:クライヴ=グリーンスミス(Clive Greensmith)

新ダヴィッド同盟は、10月31日・11月2日に別のプログラムを一公演ずつ、計2公演、水戸芸術館にて演奏会を開催する。チェロの石坂団十郎は今回は出演せず、代わりにクライヴ=グリーンスミスが担当する。コダーイのヴァイオリンは、佐藤俊介の演奏となる。

着席位置は正面後方上手側、観客の入りは7割程である。左右・舞台背面に空席が目立っている。弦楽五重奏かつ地方での公演となると、庄司紗矢香出演とはいっても集客には苦労するのだろうか。

前半のモーツァルトは、まあ普通の演奏である。水戸芸術館のデッドな響きでは、モーツァルトは厳しいのかもしれない。二曲目のコダーイは素晴らしい。チェロのグリーンスミスがソロの場面でニュアンスを効かせた音色に惹きつけられる。ヴァイオリンが盛り立てるのは当然だけど、あれだけチェロが響くと盛りあがるなあ。

後半はフランクのピアノ五重奏曲。もう言葉を失うほどの名演である。冒頭、小菅優の気だるいピアノが素晴らしい。これに(当時の先鋭的な女流作曲家だったらしい)オーギュスタ=オルメスにフランクが抱いた情欲を表す鋭い弦楽との対比からして、全観客を惹きつける!

曲の進行とともに、「気だるさ」と「情欲」との対比の展開となっていくが、的確に描き分けている演奏だ。ドラマティックな展開である一方で、決して溺れず、パッションを全開に出した一瞬後には、実に気だるい表現になったりする。

もちろん、純音楽的にも庄司紗矢香を筆頭とする奏者は、全てが完璧な技巧で表現する。例えば、庄司紗矢香と佐藤俊介とのユニゾンは完璧に合っており、完璧に合っているからこその厚みのある響きを実現させる。

個々の技術は完璧で、全奏者それぞれがニュアンスに富んだ表現でよく響かせる。あのデッドな響きの水戸芸術館で、あれ程まで響かせるのだ。

一方で個々の技巧だけに決して頼らず、五重奏団としての統一体として完璧な響きを考え抜き実現させる。吉田秀和さんが生きていらっしゃったら、どんなに喜んだだろう。

いつもはそれぞれが別々の活動を繰り広げつつ、二年ぶりに集まったと言うのに、まるでアルカント-カルテットのような世界第一級の常設楽団のように精緻な響きを実現させている。もう手放しで賞賛するのみ。無理して松本から来て良かった!

アンコールは、ドヴォルジャークのピアノ五重奏曲より第三楽章であった。